新聞紙面は、毎日たくさんの文字や写真であふれています。ドーンと大きな見出しの文字から、写真の下の説明文のような小さなものまでサイズはさまざま。
実はある単位をもとにつくっているんです。ミリでもセンチでもありません。単位は「倍」。聞きなれない言葉ですよね。一般的な長さに直すと、1インチの1000分の88です。
日々、紙面を制作する部署、編集本部にいる編集者は、毎日「見出しの文字は5倍にしようか」「写真のタテを2倍小さくしてみては」といった会話を交わします。2倍、2・3倍、3倍、6倍など、ニュースの価値が大きくなればなるほど文字は大きくなります。写真もサイズを「タテ〇倍、ヨコ〇倍」というように表現します。
一般的な定規では測れないため、「倍尺(ばいじゃく)」と呼ばれる専用の物差しで測ります。編集者が手にしない日はない一種の”神器”です。ちなみに「倍」より小さい「U(ユー)」という単位も。1倍=8Uとなります。「この見出しをあと0・5倍大きくしようか」「この写真と写真の間をあと10U開けて見やすくしよう」と、細かい部分にこだわります。大きさや小ささで、少しでもニュースの価値が伝わるように、今日も「倍」と格闘しています。