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人を知る

地域に根差す支社総支局。
読者の近くで記事を書く。

清水咲彩
(2021年入社、記者職)
清水咲彩

 熊日は、熊本県内21か所と東京・大阪・福岡に支社や総局・支局を構えています。県内の取材網はどのメディアよりもきめ細かく、人々の息遣いが感じられる新聞づくりの生命線です。

 2021年入社の清水咲彩記者は、入社2年目から3年目にあたる2022年3月~2024年2月、天草市の天草総局に赴任。「誰のために記事を書くのか。それを明確に意識できた2年間だった」。そう語る清水記者に、仕事や就職活動を振り返ってもらいました。

「地域に読まれている熊日」を実感

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清水さんは編集局地域報道本部(政経担当)でキャリアをスタートしました。
経済担当として県内企業の取り組みを取材したり、「県民の台所」と呼ばれる田崎市場で青果や鮮魚の値動きを聞いたりしていました。 初めての取材は、ある企業が県に寄付金を贈るというニュース。似たような話題の過去記事を事前に調べ、質問も準備したつもりだったんですが…。いざ相手に向き合うと頭が真っ白になり、必要な情報がほとんど聞き出せませんでした。デスクの指示で追加取材し、200字の原稿をようやく書き上げたのを覚えています。
2年目で天草総局へ異動。出先での記者生活はどうでしたか?
本社の時以上に記事への意見や感想を聞くことが多く、やりがいを感じられた2年間でした。天草の方々は、熊日に自分の町の話題が載ることを特に楽しみにしている印象があります。そんな郷土愛豊かな人たちに「天草に住んでいるけど、こんなことは知らなかった」と言ってもらえた時は、知られざる魅力を発掘できた気がしてうれしくなりました。
住民の生の声を聞いて記事を書くのは地元紙の醍醐味ですね。
熊日では記事の多くに署名が載るので、名刺を渡しただけで「あなたが清水さんね」と打ち解けられることもあります。本当に多くの方が熊日を読んでくださっているんだと実感しました。ただその分、記事が地域に与える影響の大きさを肝に銘じないといけません。何度も事実確認を重ねるなど、正確な情報を伝える責任感が強まりました。
具体的には、天草でどんな取材をしましたか?
地域で起きるあらゆることが取材対象です。本社では警察、経済、スポーツなど分野ごとに部署がありますが、支社総支局はエリアで担当が分かれています。
 赴任してすぐ取材したのは、交通事故で息子を亡くした女性でした。事故を起こしたドライバーが不起訴処分になったことに納得できず、検察審査会に申し立てをしたんです。一緒に交通事故の遺族会に参加したり、何度か自宅に上げてもらったりして、徐々に関係を深めたのを覚えています。
 ほかにも行政の発表や議会といった硬派なものから、地域色のある学校行事、若者が地元を盛り上げようと企画したイベントまで、取材の幅が広がりました。

「課題をみんなに伝えたい」と記者の道へ

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地域にどっぷりつかった2年間でしたね。ところで、清水さんが記者になりたいと思ったのはなぜ?
高校のころは中学校の国語教師になりたかったんです。だから、県内の公立大文学部に進みました。転機は3年生のとき。当時、外部講師をしていた熊日記者OBの授業を受けました。「外国人との共生」をテーマに記事を書くもので、私は外国にルーツがある子どもの日本語支援に取り組むボランティア団体を取材。学校現場で基本的な日本語がわからず、取り残される子どもがいると知りました。多くの人にこの課題を伝えることで、解決のきっかけを作りたいと思い、記者を志しました。
就職活動はマスコミを中心に進めたんですか?
全国紙などほかの新聞社もいくつか受験し、同時に選考が進んでいました。「どんな仕事もくじけそうなときが必ずある」と考えたとき、「誰のために、どんな記事を書くか」が明確な地元紙への思いが強まっていきました。実際、読者の顔を思い浮かべながら記事を書けることが、今もモチベーションになっています。

取材相手と付かず離れず

取材で気を付けていることは?
地域に密着しているとはいえ、特に行政とは付かず離れずの距離感を意識しています。市民の目線に立ち、時に厳しく指摘するのが新聞社の役割だからです。そんな取材では「なぜ私たちがこれを書くのか」をきちんと説明するよう心掛けています。行政がどう対応したのか、市民にどのように説明するのか。ずっと熊本にいる新聞社だからこそ、書いた後もフォローしないといけません。難しいことですが、先輩たちが培ってきた信頼関係を将来に受け継げるよう努力しています。
最後に、これからの目標を教えてください。
いろんな人の生き方を伝える記事を書きたいと思います。先が分からない不確実な時代。そんな中、自分らしい生き方を模索する同世代の若者と天草で出会いました。都会から移住して起業したり、天草での暮らしをInstagramやtiktokで発信したり…。新しい生き方をしている人たちを紹介し、それが誰かの人生のヒントになればうれしいです。

1日の流れ

9:15 出勤し、全国紙など各紙をチェック。
10:00 自動車部品メーカーが取り組む、地元菓子店との商品開発を取材。
11:40 取材の合間に、警察署へ事件・事故等の発生がないか電話で確認。
12:30 ちゃんぽんがおいしい地元の食堂へ。ランチはなるべくコンビニで済ませず、地元の人とコミュニケーションをとるように心がけています。
14:30 総局で原稿を執筆。完成したら本社のデスクへ送信し、添削を受けます。
16:30 デスクとのやりとりが落ち着き、市役所や警察署へ。職員や幹部と雑談も交え、情報交換します。
19:00 原稿の最終確認を終えたら翌日のスケジュールを確認し、帰宅。
株式会社熊本日日新聞社